2017年5月3日水曜日

はじめに

 歳を取るということは、夕方、知らない場所を自転車で走ることに似ている。行き着かず、自分がどこにいるのかも分からず、だんだん暗くなる。真っ暗になるまでに、あとどれだけの景色を見ることができるだろうか。
 
 自転車を漕ぐように読書する。一日五十ページ、一週間でたいがいの本が一冊、読める。一年で五十冊、二十年で一千冊。小説やエッセイばかりではない。短歌を作ったり評を書いたりしているため、歌集や詩集が一千冊の中に相当、混じる。歌論、詩論も読むだろう。疲れている時には、軽く楽しい読み物に癒やされたい。
 
 困るのは、読んだあとに残るモヤモヤだ。行を目で追っていくうちに流れる感応電流の行き場がない。言葉の形にすれば、どこかに流すことができるかもしれない。いまさら、のようにブログを始める。本を読んで流れた感応電流を貯めるためだ。あまり日付が空いてはかっこ悪いではないか。
 
 なお、一千冊のどの辺にいるか示すために、読んだ本をタイトルとし、タイトルの前に連番を振る。また折角なので、歌誌「かばん」などに発表した自作の短歌を掲載したり、ツイッターでつぶやききれない感想などをブログに述べることもあるかもしれない。