毎年、同じ百日紅を見ている。10月に入り、台風に襲われると、散ってしまう。今年はそれが上旬になるのか、中旬になるのか。
白い花を付ける。風雨に散ると、光るアスファルトに雪が舞うようだ。
今年の花は、いつ散るか。
毎年、この花が散った頃に、猛烈に忙しくなった。週末もなく資料を作り、出張に出た。昨年はちょっと違って、まったくカルチャーが合わぬ会社で大役が回ってきて、手こずった。その大役は今月末で放り出したので、花が散るのを、じっと見ていられる身分となった。もう、振り返らない。只々楽しむのみ、だ。
今日が、仕事の最終日だった。帰り道の路地で、申し合わせたように、金木犀がいっせいに香りを放ち始めた。